MMDとNiVE - NiVEエフェクト編
さて、次はエフェクト編となります。エフェクトは様々なものがありますが、今回は質感調整のみに絞ったシンプルなもので説明します。
基本はUstreamで説明した内容と同じですが、足りないと思う部分について記述します。基本的な部分などはUstreamのアーカイブ(録画)をご覧頂いた方が早いかもです。
■グローエフェクトについて
よく使われるグローエフェクトですが、簡単に綺麗に見せることが出来るので多用されています。
多用されるがゆえ、流行などによっては(特に最近では)飽きられる可能性も多いエフェクトではあります。
確かにそういった側面も理解は出来ますが、道具は使いようです。
グローは文字通り「輝き」を表現するエフェクトですが、輝かせるだけではなく質感調整にも使える便利なエフェクトであります。
またブラーとは違い、輪郭線を別な手法(グローエフェクト)で滲ませることでCG特有のシャープすぎる質感を和らげ、他素材と馴染ませることも出来ます。
「みんな使ってるからいいや」
と諦めることなく、ひとまず使ってみる事をお薦めします。
■MMDからの出力時の注意
さて、馴染ませたり輝かせたりするのにはMMD出力時から一工夫が必要です。
動画・画像はRGBデータが基本で、それぞれ0?255までの256段階でデータ化されてます。
255以上はクリップ(どこまでやっても255)のままなので、RGB=250のデータに50の輝きを足しても5しか足されない結果になります。
そういった理由もあり、MMDでの照明設定が重要になります。
標準では赤・緑・青それぞれ154で設定されてますが、NiVEでグローなどを行う時には125など低めの設定で出力すると加工しやすくなります。
見た目には若干暗く感じるでしょうが、それくらいの方がいいのです。

■レベル補正
さて、NiVEに持っていったらまずはレベル補正を掛けることをお薦めします。
MMDでの照明設定で全体的な明るさを調整し、レイヤー毎にこの「レベル補正」プラグインで微調整を行います。
また、アルファ値もこのエフェクトで調整できます。
(MMDのアルファ出力問題を参照して下さい)

(以降はレベル補正プラグイン、YUVモードを使用した場合の説明です)
レベル補正のポイントとしては(後にグローを掛けることを前提とします)
まず、更に暗くする事。白のトップレベルを若干落としてあげる事で、光の加減がしやすくなります。
そして次に、輝度ガンマを低めに取ること。
ガンマというのは図でいうところの曲線のしなり具合です。下方向に弧を描けばガンマが低くなり、逆に上方向に山を描くとガンマが高くなります。
更に暗くなるように感じますが、色味も含めて少し締めておいたほうがグロー効果がかかりやすくなり、また色飛び(色味が薄くなり白っぽくなること)も避けられます。
次に色味ですが


色差の値もこのように変えてみます。上図の場合どちらかというと緑側に寄った状態を敢えて作っています。
最近の音楽PVなどでは少し古臭く緑掛かったような色味にしたりすることもありますので、輝度だけでなく色差も弄ると更に質感印象が変わります。
ただし、あまり大きく動かしすぎると肌の色味も変わってしまい、宇宙人になってしまうので注意しましょう。
▼例:クールな寒色系へ
(クリックで拡大)
▼例:夕方のような暖色系へ
(クリックで拡大)
この色差変更もグローを意識しながらやり、あまり極端に色変更をしないほうがいいでしょう。
やりすぎると衣装の色や髪の色まで影響します。
■グロー処理
(SSE2版ですが、標準と同じです)
グローで設定するのは、範囲・強さ・閾値・色の4つのパラメータです。
範囲:輝き(滲み)を表現する範囲(ピクセル数)。広く取りすぎると効果が薄まってしまいます
強さ:発光の度合い。数値が大きいと強く発光(色・輝度が足される)します
閾値:設定した数値より低い部分には適応しません。数値より高い輝度のピクセルを処理します
色 :発光の色を設定出来ます。
これら数値は弄りながら効果を見てみるとより分かりやすいかと思います。
範囲は元画像の大きさによりけりですが、8?20くらい。
強さは、標準の100では強すぎるので40?60。
閾値はゼロや1など低い数値だと全体的に掛けられるが、影・陰影が薄くなってしまう場合があるので、15?35辺りで影を残しておく。
このように設定すれば、発色や滲み具合が丁度よくなったりします。
また、色も白のままでもいいですし、少し補色的な色をうっすらと付け足したものに変えてみてもいいでしょう。
(グロー適用前)

(グロー適用後)
繰り返しになりますが、画面内全てを明るくしてしまうと「明るい」とは感じられなくなります。画面の中に明るい部分、暗い部分を適度にすることで、明るい部分を「より明るい」と感じられるように調整してみて下さい。
また、グロー効果などは単体では分かり辛いので、背景やステージと組み合わせてチェックしてみましょう。
▼グロー適用前(レベル補正のみ)

▼グロー適用:極端な例

▼グロー適用:適度な例

■ブラー
ここで言うブラーは、モーションブラーやフレームブレンドのようなものではなく、単純な「ぼかし」エフェクトです。
ステージモデルや背景に適用させる事で奥行き感が更に生まれます。

基本的には標準の「ぼかし(ガウス)」で十分です。他にも様々なぼかし効果がありますので、色々試してみるのもいいでしょう。
このエフェクトはシンプルで、ぼかし(ガウス)の場合は設定項目が1つのみです。
範囲はぼかすピクセル範囲なので、数値が大きければ大きいほどボケます。
これもまた、大きすぎない範囲で適度な数値設定をしてみましょう。
▼ブラー適用前

▼ブラー適用後

後ろをぼかすことで、人物などをひときわ浮き立たせる事が出来ます。
■エフェクトの順番
エフェクトには掛ける順番というものがあります。特に決まったルールはありませんが、掛ける順番を変えると見た目の効果も変わってきます。

レイヤーは下から順番に描写しますが、各レイヤー内のエフェクトは上から順番に掛かっていきます(計算されていきます)
この場合、
1:トランスフォーム:動画の位置や大きさ、透明度などを設定
2:レベル補正:色味調整エフェクト
3:グロー:輝きエフェクト
4:ブラー:ぼかしエフェクト
の順番になります。
2番と3番を入れ替え、グローの後にレベル補正をするようにも出来ますが、見た目の結果は変わります。
順番はエフェクト名をドラッグすれば入れ替えられますので、シャッフルして遊んでみて違いを調べ、目的の結果となるような順番を探してみて下さい。
以上でNiVEにおけるエフェクトの簡単な説明を終わります。
エフェクトは適応させただけでは効果が分かり辛いものもありますので、各パラメータなどを弄りまくってどういう効果なのかを見て確認してみましょう。
また、プラグインなどには説明用のreadmeがついてる事が多いので、是非ともご一読下さい。
基本はUstreamで説明した内容と同じですが、足りないと思う部分について記述します。基本的な部分などはUstreamのアーカイブ(録画)をご覧頂いた方が早いかもです。
■グローエフェクトについて
よく使われるグローエフェクトですが、簡単に綺麗に見せることが出来るので多用されています。
多用されるがゆえ、流行などによっては(特に最近では)飽きられる可能性も多いエフェクトではあります。
確かにそういった側面も理解は出来ますが、道具は使いようです。
グローは文字通り「輝き」を表現するエフェクトですが、輝かせるだけではなく質感調整にも使える便利なエフェクトであります。
またブラーとは違い、輪郭線を別な手法(グローエフェクト)で滲ませることでCG特有のシャープすぎる質感を和らげ、他素材と馴染ませることも出来ます。
「みんな使ってるからいいや」
と諦めることなく、ひとまず使ってみる事をお薦めします。
■MMDからの出力時の注意
さて、馴染ませたり輝かせたりするのにはMMD出力時から一工夫が必要です。
動画・画像はRGBデータが基本で、それぞれ0?255までの256段階でデータ化されてます。
255以上はクリップ(どこまでやっても255)のままなので、RGB=250のデータに50の輝きを足しても5しか足されない結果になります。
そういった理由もあり、MMDでの照明設定が重要になります。
標準では赤・緑・青それぞれ154で設定されてますが、NiVEでグローなどを行う時には125など低めの設定で出力すると加工しやすくなります。
見た目には若干暗く感じるでしょうが、それくらいの方がいいのです。

■レベル補正
さて、NiVEに持っていったらまずはレベル補正を掛けることをお薦めします。
MMDでの照明設定で全体的な明るさを調整し、レイヤー毎にこの「レベル補正」プラグインで微調整を行います。
また、アルファ値もこのエフェクトで調整できます。
(MMDのアルファ出力問題を参照して下さい)

(以降はレベル補正プラグイン、YUVモードを使用した場合の説明です)
レベル補正のポイントとしては(後にグローを掛けることを前提とします)
まず、更に暗くする事。白のトップレベルを若干落としてあげる事で、光の加減がしやすくなります。
そして次に、輝度ガンマを低めに取ること。
ガンマというのは図でいうところの曲線のしなり具合です。下方向に弧を描けばガンマが低くなり、逆に上方向に山を描くとガンマが高くなります。
更に暗くなるように感じますが、色味も含めて少し締めておいたほうがグロー効果がかかりやすくなり、また色飛び(色味が薄くなり白っぽくなること)も避けられます。
次に色味ですが


色差の値もこのように変えてみます。上図の場合どちらかというと緑側に寄った状態を敢えて作っています。
最近の音楽PVなどでは少し古臭く緑掛かったような色味にしたりすることもありますので、輝度だけでなく色差も弄ると更に質感印象が変わります。
ただし、あまり大きく動かしすぎると肌の色味も変わってしまい、宇宙人になってしまうので注意しましょう。
▼例:クールな寒色系へ

▼例:夕方のような暖色系へ

この色差変更もグローを意識しながらやり、あまり極端に色変更をしないほうがいいでしょう。
やりすぎると衣装の色や髪の色まで影響します。
■グロー処理

グローで設定するのは、範囲・強さ・閾値・色の4つのパラメータです。
範囲:輝き(滲み)を表現する範囲(ピクセル数)。広く取りすぎると効果が薄まってしまいます
強さ:発光の度合い。数値が大きいと強く発光(色・輝度が足される)します
閾値:設定した数値より低い部分には適応しません。数値より高い輝度のピクセルを処理します
色 :発光の色を設定出来ます。
これら数値は弄りながら効果を見てみるとより分かりやすいかと思います。
範囲は元画像の大きさによりけりですが、8?20くらい。
強さは、標準の100では強すぎるので40?60。
閾値はゼロや1など低い数値だと全体的に掛けられるが、影・陰影が薄くなってしまう場合があるので、15?35辺りで影を残しておく。
このように設定すれば、発色や滲み具合が丁度よくなったりします。
また、色も白のままでもいいですし、少し補色的な色をうっすらと付け足したものに変えてみてもいいでしょう。



繰り返しになりますが、画面内全てを明るくしてしまうと「明るい」とは感じられなくなります。画面の中に明るい部分、暗い部分を適度にすることで、明るい部分を「より明るい」と感じられるように調整してみて下さい。
また、グロー効果などは単体では分かり辛いので、背景やステージと組み合わせてチェックしてみましょう。
▼グロー適用前(レベル補正のみ)

▼グロー適用:極端な例

▼グロー適用:適度な例

■ブラー
ここで言うブラーは、モーションブラーやフレームブレンドのようなものではなく、単純な「ぼかし」エフェクトです。
ステージモデルや背景に適用させる事で奥行き感が更に生まれます。

基本的には標準の「ぼかし(ガウス)」で十分です。他にも様々なぼかし効果がありますので、色々試してみるのもいいでしょう。
このエフェクトはシンプルで、ぼかし(ガウス)の場合は設定項目が1つのみです。
範囲はぼかすピクセル範囲なので、数値が大きければ大きいほどボケます。
これもまた、大きすぎない範囲で適度な数値設定をしてみましょう。
▼ブラー適用前

▼ブラー適用後

後ろをぼかすことで、人物などをひときわ浮き立たせる事が出来ます。
■エフェクトの順番
エフェクトには掛ける順番というものがあります。特に決まったルールはありませんが、掛ける順番を変えると見た目の効果も変わってきます。

レイヤーは下から順番に描写しますが、各レイヤー内のエフェクトは上から順番に掛かっていきます(計算されていきます)
この場合、
1:トランスフォーム:動画の位置や大きさ、透明度などを設定
2:レベル補正:色味調整エフェクト
3:グロー:輝きエフェクト
4:ブラー:ぼかしエフェクト
の順番になります。
2番と3番を入れ替え、グローの後にレベル補正をするようにも出来ますが、見た目の結果は変わります。
順番はエフェクト名をドラッグすれば入れ替えられますので、シャッフルして遊んでみて違いを調べ、目的の結果となるような順番を探してみて下さい。
以上でNiVEにおけるエフェクトの簡単な説明を終わります。
エフェクトは適応させただけでは効果が分かり辛いものもありますので、各パラメータなどを弄りまくってどういう効果なのかを見て確認してみましょう。
また、プラグインなどには説明用のreadmeがついてる事が多いので、是非ともご一読下さい。
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