MMDとNiVE - MMD出力編
さて、NiVE・AEなどのエフェクト(コンポジット)ソフトへ動画を渡す方法を説明します。
Ver7.04でアルファ出力が綺麗になったのは前のエントリーでも話したので割愛します。
MMDのアルファ出力問題
ここでは、より具体的にMMDからのAVI出力方法を説明します。ポイント毎にまとめます。
■AVI出力時のコーデック選択
アルファ付きで出力する場合、コーデックの選択幅は狭まります。可逆圧縮コーデックでもアルファに対応しているものは少ないです。
動画データは、光の三原色であるRGB(赤・緑・青)のデータを持ってますが、さらに透過率データ(アルファ)を付け加えることになるので
RGB24bit (R・G・Bそれぞれ8bitずつのデータ、三色合わせて24bit)
ではなく
RGB32bit (R・G・Bそれぞれ8bitずつのデータ、さらにアルファ8bit)
となります。なので動画の色情報フォーマットも変わる訳ですね。
さて、ではどのコーデックがいいかというと、可逆圧縮コーデックではUt Video Codecとなる訳です。
Ut Video Codecにはアルファ付き専用のコーデックがあります。それが
「Ut Video Codec RGBA (ULRA) x86」
です。
PCの環境によってはUt Videoとの相性が悪い場合もありますから、その場合は標準である「未圧縮」を使って下さい。
AVI未圧縮でもアルファ情報は付いてきます。
Ut Videoは使えるのにNiVEとの相性が悪い場合がありますが、その場合もAVI未圧縮で対応すれば回避できます。
AVI未圧縮はVer6以降で2Gバイト以上のファイルでも書き出せるようになっています。
■アルファ付き出力の方法
背景セット、アクセサリ、モデル、背景AVI・背景画像などを盛り込んだ状態では、透過部分がほぼ存在しませんのでアルファ出力する意味はありません。
NiVEなどで後合成などをし、個別に色感調整などを行う場合は、後述する分割しての出力方法を取ります。
まずここでは、モデルだけ出力する方法と注意点を挙げてみます。
まず、基本的には座標軸は非表示にして下さい。座標軸もMMD内部ではアクセサリ扱いとなってますので、AVI出力時に書き出されます。
次に地面影表示ですが、モデルと同時に出力していい場合は表示したままでいいですが、別途出力する場合は影を一旦消します。
Ver7.04から影のみ出力モードが搭載されてますので、別途出力が可能になりました。
これら2つをチェックした後、背景画に黒やブルーといったものを置くのではなくキーボードの「B」キーを押して、背景を黒にします。
この時、背景AVI・背景画は非表示にしておいて下さい。
この状態でAVI出力をすれば、アルファ付きで出力されます。
■合成用個別出力の方法
ステージやアクセサリ、モデルなどを個別に出力することにより、合成や色感調整などが楽になります。
ここでは個別に出力する方法を説明します。
まず、個別といっても、モデルも一体ずつ、アクセサリやステージも1つずつとなると膨大な量のAVIファイルとなりますし、また奥行き関係の処理とかも煩雑になります。
なので大まかに
1:モデル(人物など)
2:影のみ(モデルの影)
3:ステージまたはアクセサリなど
4:背景用球体モデル(アクセ)など
という感じで区分けします。
人物が持っているアクセサリなどは、モデルと同時に出力したほうがいいでしょう。
この分割方法は、作る動画やシーンによって変わってきます。
次に個別に分ける方法ですが……この方法を行う前に、プロジェクトを保存しておいて下さい。
個別に分けるに辺り、不必要なモデルやアクセサリなどを削除する必要はありません。


モデル操作パネル・アクセサリ操作パネルの「表示」チェックボタンをオフにすればアルファは出力されません。
作っているプロジェクトによっては、シーン毎に表示の切り替えを行っている場合もありますね。そういう場合は、フレーム編集メニューにある


これらの機能を使って、0フレーム以外(1フレーム以降)を削除してください。
0フレームを残すのは、IK状態やアクセの位置情報などを保持する為です。
これらを途中で変更している場合は、手間ではありますが切り替えポイントから次の切り替えポイントまでのフレーム間を個別にして出力する必要があります。
こういった事もあるので、合成・後調整を前提とするときは、シーン毎にプロジェクトを分けた方がいい場合もあります。
■地面影の個別出力
Ver7.04で搭載された影のみ出力も、合成時には便利です。
特にライブステージセットなどを使い、照明などを頻繁に色変え・方向変えなどを行う場合などです。
地面影は、照明のY軸方向がプラス側になると表示されなくなりますし、また照明の影響を受けて色がつきます。
これらを避けたい場合などは、この影のみ出力を利用します。
影出力モードは、キーボードの「Shift+V」
▼通常表示

▼影出力モード

そして影出力時も、照明の設定などを任意に変えて、例えば影方向を固定した状態にするなど、キーフレームを一括して操作(または変更)して出力してみてください。
この影出力モードにした後、モデルの時と同じく「B」キーで背景を黒にしてからAVI出力しましょう。
▼影出力モード + ブラックバックモード

■奥行き処理
アクセサリやステージ、それとカメラワークによってはこのようになる場合もあるでしょう

こういった場合は非常に厄介になります。
アルファ情報には奥行き情報(Z情報)などはありません。
この場合で、ステージと人物を切り離して合成したいという場合は、もう一工夫必要になります。
後の合成編でも説明しますが、
モデル(人物)出力時にモデルも表示させてアルファ出力し、アルファでの合成+カラーキー合成 をする訳です。
ステップとしては次のようになります。
1:ステージモデルをPMD Editorで加工する
ステージモデルをPMD Editorで呼び出し、材質を統一させ、テクスチャを無くし単色化させます。

通常、ステージモデルはこのように複数の材質、複数のテクスチャで構成されていますが、これらを一つ一つ弄る必要はありません。
PMD Editorの「編集」メニュー→「材質」→「材質の単一化」をすると、全ての材質が一つに纏まります
▼材質の単一化

材質を一つにまとめた後、カラーキー用の色に変更します。
▼単一色に変更

色はモデルに使われてない色などを選ぶといいでしょう。
ブルーやグリーンを使う事が多いのは、肌の色と大きく離れているからです。(肌色は赤成分が多いので)
この場合、千早と咲夜が青の髪・服なのでグリーンを選びます。
そして更に、Diffuse色とAmbient色を同一数値にする事で、照明による色変化をさせないようにします。
(Alfaを0.99ではなく1などにすると背面表示されない場合もあるので注意を)
また、テクスチャがある場合は、テクスチャ設定も消しましょう。
この状態で別名保存し、MMD側で読み込み、モーションなどをコピーします。
▼MMD側で読み込む

モデル表示と用意したカラーキー用のステージアクセを合わせてアルファ付き出力すれば、目的通り奥行きの優先度を変えずに楽に合成できるようになります。
人物モデルでも同じようにカラーキー用モデルを作る事ができます。
ですが人物モデルの場合は、物理演算の再現性問題が付きまといますので余りお薦めしません。
(逆にそれを利用して人物を多重合成し、オーラを醸し出すようなエフェクトとして使えるかもしれませんw)
この方法は、
めいきんぐ・おぶ・みきみき ★ろまんてぃっく - G様P
弾幕表現のメイキング動画(東方×MMD) - TiltP
でも説明されてますので、ご参照下さい。
TiltPの動画中にある通り、場合によってはカラーキー用モデルではなく、黒に塗りつぶしたシルエットモデルの方が有効な場合もありますので、用途によって使い分けて下さい。
シルエットモデルなどの場合でさらに未圧縮AVIでの出力をする時には、自動的にアルファが付いてしまいます。
AEの場合はアルファ無視で読み込めばいいのですが、NiVEの場合はやや面倒です。
MMDでまた別に出力すると、物理演算再現性に問題がでてくるのでこの方法は使えません。
こういった時は、AVIUtlなどを使い、RGB32ではなくRGB24に直し(というかAVIUtlの標準はアルファ対応してませんので、読み込み→AVI出力でRGB24になります)てからNiVEで読み込めばアルファ情報は消えます。
……とまぁ非常にややこしい話ではありますが、理解さえすれば後は楽です。
動画中にも言いましたが、動画は素材が命なのでこの仕込み準備さえクリアすれば応用がいくらでも効くようになりますので、ぜひとも頑張って下さい。
Ver7.04でアルファ出力が綺麗になったのは前のエントリーでも話したので割愛します。
MMDのアルファ出力問題
ここでは、より具体的にMMDからのAVI出力方法を説明します。ポイント毎にまとめます。
■AVI出力時のコーデック選択
アルファ付きで出力する場合、コーデックの選択幅は狭まります。可逆圧縮コーデックでもアルファに対応しているものは少ないです。
動画データは、光の三原色であるRGB(赤・緑・青)のデータを持ってますが、さらに透過率データ(アルファ)を付け加えることになるので
RGB24bit (R・G・Bそれぞれ8bitずつのデータ、三色合わせて24bit)
ではなく
RGB32bit (R・G・Bそれぞれ8bitずつのデータ、さらにアルファ8bit)
となります。なので動画の色情報フォーマットも変わる訳ですね。
さて、ではどのコーデックがいいかというと、可逆圧縮コーデックではUt Video Codecとなる訳です。
Ut Video Codecにはアルファ付き専用のコーデックがあります。それが
「Ut Video Codec RGBA (ULRA) x86」
です。
PCの環境によってはUt Videoとの相性が悪い場合もありますから、その場合は標準である「未圧縮」を使って下さい。
AVI未圧縮でもアルファ情報は付いてきます。
Ut Videoは使えるのにNiVEとの相性が悪い場合がありますが、その場合もAVI未圧縮で対応すれば回避できます。
AVI未圧縮はVer6以降で2Gバイト以上のファイルでも書き出せるようになっています。
■アルファ付き出力の方法
背景セット、アクセサリ、モデル、背景AVI・背景画像などを盛り込んだ状態では、透過部分がほぼ存在しませんのでアルファ出力する意味はありません。
NiVEなどで後合成などをし、個別に色感調整などを行う場合は、後述する分割しての出力方法を取ります。
まずここでは、モデルだけ出力する方法と注意点を挙げてみます。
まず、基本的には座標軸は非表示にして下さい。座標軸もMMD内部ではアクセサリ扱いとなってますので、AVI出力時に書き出されます。
次に地面影表示ですが、モデルと同時に出力していい場合は表示したままでいいですが、別途出力する場合は影を一旦消します。
Ver7.04から影のみ出力モードが搭載されてますので、別途出力が可能になりました。
これら2つをチェックした後、背景画に黒やブルーといったものを置くのではなくキーボードの「B」キーを押して、背景を黒にします。
この時、背景AVI・背景画は非表示にしておいて下さい。
この状態でAVI出力をすれば、アルファ付きで出力されます。
■合成用個別出力の方法
ステージやアクセサリ、モデルなどを個別に出力することにより、合成や色感調整などが楽になります。
ここでは個別に出力する方法を説明します。
まず、個別といっても、モデルも一体ずつ、アクセサリやステージも1つずつとなると膨大な量のAVIファイルとなりますし、また奥行き関係の処理とかも煩雑になります。
なので大まかに
1:モデル(人物など)
2:影のみ(モデルの影)
3:ステージまたはアクセサリなど
4:背景用球体モデル(アクセ)など
という感じで区分けします。
人物が持っているアクセサリなどは、モデルと同時に出力したほうがいいでしょう。
この分割方法は、作る動画やシーンによって変わってきます。
次に個別に分ける方法ですが……この方法を行う前に、プロジェクトを保存しておいて下さい。
個別に分けるに辺り、不必要なモデルやアクセサリなどを削除する必要はありません。


モデル操作パネル・アクセサリ操作パネルの「表示」チェックボタンをオフにすればアルファは出力されません。
作っているプロジェクトによっては、シーン毎に表示の切り替えを行っている場合もありますね。そういう場合は、フレーム編集メニューにある


これらの機能を使って、0フレーム以外(1フレーム以降)を削除してください。
0フレームを残すのは、IK状態やアクセの位置情報などを保持する為です。
これらを途中で変更している場合は、手間ではありますが切り替えポイントから次の切り替えポイントまでのフレーム間を個別にして出力する必要があります。
こういった事もあるので、合成・後調整を前提とするときは、シーン毎にプロジェクトを分けた方がいい場合もあります。
■地面影の個別出力
Ver7.04で搭載された影のみ出力も、合成時には便利です。
特にライブステージセットなどを使い、照明などを頻繁に色変え・方向変えなどを行う場合などです。
地面影は、照明のY軸方向がプラス側になると表示されなくなりますし、また照明の影響を受けて色がつきます。
これらを避けたい場合などは、この影のみ出力を利用します。
影出力モードは、キーボードの「Shift+V」
▼通常表示

▼影出力モード

そして影出力時も、照明の設定などを任意に変えて、例えば影方向を固定した状態にするなど、キーフレームを一括して操作(または変更)して出力してみてください。
この影出力モードにした後、モデルの時と同じく「B」キーで背景を黒にしてからAVI出力しましょう。
▼影出力モード + ブラックバックモード

■奥行き処理
アクセサリやステージ、それとカメラワークによってはこのようになる場合もあるでしょう

こういった場合は非常に厄介になります。
アルファ情報には奥行き情報(Z情報)などはありません。
この場合で、ステージと人物を切り離して合成したいという場合は、もう一工夫必要になります。
後の合成編でも説明しますが、
モデル(人物)出力時にモデルも表示させてアルファ出力し、アルファでの合成+カラーキー合成 をする訳です。
ステップとしては次のようになります。
1:ステージモデルをPMD Editorで加工する
ステージモデルをPMD Editorで呼び出し、材質を統一させ、テクスチャを無くし単色化させます。

通常、ステージモデルはこのように複数の材質、複数のテクスチャで構成されていますが、これらを一つ一つ弄る必要はありません。
PMD Editorの「編集」メニュー→「材質」→「材質の単一化」をすると、全ての材質が一つに纏まります
▼材質の単一化

材質を一つにまとめた後、カラーキー用の色に変更します。
▼単一色に変更

色はモデルに使われてない色などを選ぶといいでしょう。
ブルーやグリーンを使う事が多いのは、肌の色と大きく離れているからです。(肌色は赤成分が多いので)
この場合、千早と咲夜が青の髪・服なのでグリーンを選びます。
そして更に、Diffuse色とAmbient色を同一数値にする事で、照明による色変化をさせないようにします。
(Alfaを0.99ではなく1などにすると背面表示されない場合もあるので注意を)
また、テクスチャがある場合は、テクスチャ設定も消しましょう。
この状態で別名保存し、MMD側で読み込み、モーションなどをコピーします。
▼MMD側で読み込む

モデル表示と用意したカラーキー用のステージアクセを合わせてアルファ付き出力すれば、目的通り奥行きの優先度を変えずに楽に合成できるようになります。
人物モデルでも同じようにカラーキー用モデルを作る事ができます。
ですが人物モデルの場合は、物理演算の再現性問題が付きまといますので余りお薦めしません。
(逆にそれを利用して人物を多重合成し、オーラを醸し出すようなエフェクトとして使えるかもしれませんw)
この方法は、
めいきんぐ・おぶ・みきみき ★ろまんてぃっく - G様P
弾幕表現のメイキング動画(東方×MMD) - TiltP
でも説明されてますので、ご参照下さい。
TiltPの動画中にある通り、場合によってはカラーキー用モデルではなく、黒に塗りつぶしたシルエットモデルの方が有効な場合もありますので、用途によって使い分けて下さい。
シルエットモデルなどの場合でさらに未圧縮AVIでの出力をする時には、自動的にアルファが付いてしまいます。
AEの場合はアルファ無視で読み込めばいいのですが、NiVEの場合はやや面倒です。
MMDでまた別に出力すると、物理演算再現性に問題がでてくるのでこの方法は使えません。
こういった時は、AVIUtlなどを使い、RGB32ではなくRGB24に直し(というかAVIUtlの標準はアルファ対応してませんので、読み込み→AVI出力でRGB24になります)てからNiVEで読み込めばアルファ情報は消えます。
……とまぁ非常にややこしい話ではありますが、理解さえすれば後は楽です。
動画中にも言いましたが、動画は素材が命なのでこの仕込み準備さえクリアすれば応用がいくらでも効くようになりますので、ぜひとも頑張って下さい。
- 関連記事
-
- MMDとNiVE - NiVEエフェクト編 (2010/05/07)
- MMDとNiVE - NiVE入力、整理編 (2010/05/07)
- MMDとNiVE - MMD出力編 (2010/05/07)
- カメラワークとエフェクトのおいちい関係 (2010/05/07)
- MMDのアルファ出力問題 (2010/04/30)
スポンサーサイト